ぷれす通信

communication

読んだら書きたくなりました vol.96

『Janchan Style Book Hi Haai!』

Janchan 主婦の友インフォス

元BNK48でソロアーティストのJanchan日本初スタイルブック。自身が使用したコスメやプライベートで着用している洋服、日本で見つけたお気に入りのものが紹介されています。「どのブランドの化粧品を買えばいいか分からない!」「日々のコーディネートに困っている」などお悩みがあれば、若い女性に人気の商品ばかり掲載されているので、本書を読むまで彼女を知らなかった人でも楽しめてタメになる一冊になっています。彼女の幼少期の写真や現在の自宅の様子、BNK48へ加入した当時の話やソロアーティストとしての意気込みも語られているので、以前からJanchanを応援している方はそちらも必見です。彼女の写真が盛りだくさんな本書は、アイドル時代には見られなかったJanchanの大人になった表情を見ることもできます。ページ数が多いわけではありませんが、内容の濃い一冊ですので是非手に取ってみてはいかがでしょうか。(まち)

『十字架』

重松清 講談社文庫

いじめを苦に自殺した一人の少年の周囲にいた人々が、どのように彼の死を背負っていくかを、丁寧な心理描写で綴った物語です。いじめを傍観した同級生を非難する親やマスコミら第三者も、安全な立場からの物言いという意味では同類。登場する人々による多角的な視点が、一方的な正義を掲げる危うさ、いじめを根本解決する困難さ、また、苛酷な現実や負うべき責任から逃れようとする自分にどう向き合っていくか――等々、深く考えさせられます。重苦しいテーマゆえに、時につらい気持ちになることはありますが、最終的には読者が前向きに生きていく力を得られるように配慮されている良心的な作品です。ただ感動したという一言で終わらせることのできない作品でした。(かつ)