ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.70

『11人の看護師が伝える、おだやかに逝くヒント』

村松静子 監修 主婦の友社

死にゆく患者さんに真摯に向き合う看護師たちの体験談を綴った作品です。私の連れ合いも看護師で、本書で紹介されるようなエピソードを数多く経験しています。「どう死ぬかはどう生きるかと一緒。人はいつ亡くなったり、病気になったりするかわからない。だからこそ今日という一日を迎えられること、健康でいられることがとても素晴らしいことのように思う」と彼女は以前話していましたが、それはとても実感を伴った言葉として印象に残っています。もし自分が死を目前に控える状態になったとき、どのようにそれを受け入れ、自分らしさを維持するか。本書を読んだことで今後の生き方について改めて考えてみようと思いました。(てつ)

『妻が願った「最期の七日間」』

宮本英司 サンマーク出版

がんで他界した妻・容子さんが生前綴った詩を、夫・英司さんが「朝日新聞」の声の欄に投書したことに端を発するノンフィクションです。闘病中の病室で容子さんが願った、もし神様が七日間の元気な時間をくれたらしたいことは、台所での料理、趣味の洋裁、夫と愛犬とのドライブ、家族の誕生日会、女子会、夫婦二人の静かな時間……。詩「七日間」からも、夫婦ふたりの交換日記(出会って50年の記念に始めたのだそう、もう仲良過ぎですよね 涙)からも、容子さんの日記からも、英司さんの回想からも平凡という言葉に包まれた豊かで幸せな日々がにじんでいて、読みながら泣くまいと目頭にグッと力を入れていたのですが、涙がこぼれてしまいました。がんという理不尽に、結末をしっていても奇跡を願いながら読んでいました。読後、「自分の周囲の大切な人を私は容子さんや英司さんのように大切にできてるかな?」「今持っているつながりを大切にしたいな」としみじみ感じる本でした。(まち)