ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.54

『世界の最新医学が証明した 長生きする食事』

満尾 正 アチーブメント出版

「コレステロール値は少し高くてもいい」「血圧も少し高めでもいい」「塩分も過剰に制限すべきではなく、必要な量をきちんと摂取したほうがいい」など今までの健康の秘訣といわれてきた常識を覆すような驚きと発見がたくさん見つかります。わたしは以前どこかで「食事のはじめに野菜をたくさん食べると良い」という情報を耳にして以来、実践してきましたが、野菜であれば何でもいいということではないのですね。野菜のなかでも急に血糖値を上げてしまうもの(にんじん、じゃがいもなど)があることを知り、勉強になりました。60代をターゲットにしているようですが、年齢に関係なく参考になる内容だと思います。具体的にどの食材をとると良いというのが詳しく書かれているので、頭に入りやすく親切です。巻頭付録にある「この食べ物、角砂糖何個分?」のページは衝撃を受けるのでお気をつけください。(てつ)

『ルポ 東大女子』

おおたとしまさ 幻冬舎新書

「東大女子」というタイトルが目を引きました。親しい間柄に、東大女子はいません。謎につつまれています。現役東大女子による彼女らへのアンケートで、その本音を少しだけのぞくことができます。すっぴんで大学に行くかとか、結婚したいかとか。そして、東大女子のその後は?前途洋々かと思いきや違いました。仕事も結婚も。東大出身の女性が語る東大女子の性格傾向や上司の学歴コンプレックスのエピソードには、うなずけるものがあります。結婚も、相手選びからして難しそうです。座談会で著者に相手は東大生しかいなくなるのではと話を振られ、そうだと結論づける学生がいました。しかしこの本で取り上げられている何組かの夫婦は夫が東大卒であってもなくても、協力して家庭生活を営んでいます。そのパワフルさには力をもらいました。さらに話は現代の社会への言及へと展開し、著者は最終章の終わりをこう結んでいます。「どうにでもごまかしようのある『男性の育休取得率』などという数値目標を掲げるよりも、『東大の女子率』を社会構造変化の指標として掲げたほうがいいのではないかと、半分冗談半分本気で、私は思う」。興味本位で手にとりましたが、内容の濃い本でした。(まち)