2010年9月号
デッドゾーン 「目」の問題
今回取り上げるのは「目」。「目は口ほどに物を言う」の「目」ではなく、数詞のあとにつく接尾語としての「目」。○年目とか△番目とかいうときの「目」です。この起点がどこにあるか、意外に混乱があるようです。
辞書に「初めから数え進んでひと区切りをつけた、その区切りまでの数を表わす」(『日本国語大辞典』)とあるように、その事柄が起きた年(月・日)を含めて(←ココ大事)数えるのが「目」なのです。分かりやすく具体例を挙げると、昭和54(1979)年12月に創業した〈ぷれす〉は、平成21(2009)年12月に30周年(満30年)を迎え、31年目に入りました。今年12月には32年目を迎えることになるわけです。つまり、「○年目」と表わす場合は、単純に「2009-1979=30」とするのではなく、最初の年を「1」として数えなければならないということです。
ただし、同じ「目」でも原爆の日や終戦記念日などは違った数え方をしています。今年8月はどちらも「65回目」でしたが、原爆の日は投下された翌年、終戦記念日は終戦の翌年から数えています。記念日は、過去に起こった事に思いを新たにする日だから、という理由からでしょうか。
「目」の問題は、執筆者自身も間違って理解している場合も多くあります。校正するときには、よくよく注意しなければなりませんね。
問題「9月2日(木)に入院したA氏が10日(金)に退院」という場合、何日目の退院か。また、何日ぶりの退院となるか。
この一冊!『文章は接続詞で決まる』

『文章は接続詞で決まる』
文章は接続詞で決まる
石黒圭 著
光文社新書(2008/9)
253ページ/新書判
ISBN 978-4-334-03473-3
798円(税込)
「独立した先行文脈の内容を受けなおし、後続文脈の展開の方向性を示す表現」という定義のもと、接続詞について説いた本書。新聞記事や小説などを例に、論理・整理・理解・展開の4種に分類して、接続詞の役割を教えてくれます。
校正していて、文意がつかめないとき、文脈のつながりがぎこちないとき、接続詞の位置や使い方に疑問出しの必要があるかもしれません。そんなとき、索引つきで辞書のように使える本書が強い味方となりそうです。
ちなみに、よく口にする接続詞で、その人の性格が分かるのだとか。(範)