2010年12月号
デッドゾーン 新常用漢字がいよいよスタート!(2)
前回に続き、新しく常用漢字に採用された字種196を紹介します。来年からは新常用漢字表を採用する出版社も増えると思われますので、どんな漢字があるかだけでも知っておくといいでしょう。
071 采 サイ 072 塞 サイ・ソク・ふさぐ・ふさがる 073 埼 さい 074 柵 サク
075 刹 サツ・セツ 076 拶 しか・か 077 斬 ザン・きる 078 恣 シ
079 摯 シ 080 餌 ジ・えさ・え 081 鹿 しか・か 082 叱 シツ・しかる
083 嫉 シツ 084 腫 シュ・はれる・はらす 085 呪 ジュ・のろう 086 袖 シュウ・そで
087 羞 シュウ 088 蹴 シュウ・ける 089 憧 ショウ・あこがれる 090 拭 ショク・ふく・ぬぐう
091 尻 しり 092 芯 シン 093 腎 ジン 094 須 ス
095 裾 すそ 096 凄 セイ 097 醒 セイ 098 脊 セキ
099 戚 セキ 100 煎 セン・いる 101 羨 セン・うらやむ・うらやましい 102 腺 セン
103 詮 セン 104 箋 セン 105 膳 ゼン 106 狙 ソ・ねらう
107 遡 ソ・さかのぼる 108 曽 ソウ・ゾ 109 爽 ソウ・さわやか 110 痩 ソウ・やせる
111 踪 ソウ 112 捉 ソク・とらえる 113 遜 ソン 114 汰 タ
115 唾 ダ・つば 116 堆 タイ 117 戴 タイ 119 旦 タン・ダン
118 誰 だれ 120 綻 タン・ほころびる 121 緻 チ 122 酎 チュウ
123 貼 チョウ・はる 124 嘲 チョウ・あざける 125 捗 チョク 126 椎 ツイ
127 爪 つめ・つま 128 鶴 つる 129 諦 テイ・あきらめる 130 溺 デキ・おぼれる
131 填 テン 132 妬 ト・ねたむ 133 賭 ト・かける 134 藤 トウ・ふじ
135 瞳 ドウ・ひとみ 136 栃 とち 137 頓 トン 138 貪 ドン・むさぼる
139 丼 どんぶり・どん 140 那 ナ 141 奈 ナ 142 梨 なし
143 謎 なぞ 144 鍋 なべ 145 匂 におう 146 虹 にじ
147 捻 ネン 148 罵 バ・ののしる 149 剥 ハク・はがす・はぐ 150 箸 はし
151 氾 ハン 152 汎 ハン 153 阪 ハン・さか 154 斑 ハン
155 眉 ビ・ミ・まゆ 156 膝 ひざ 157 肘 ひじ 158 訃 フ
159 阜 フ 160 蔽 ヘイ 161 餅 ヘイ・もち 162 璧 ヘキ
163 蔑 ベツ・さげすむ 164 哺 ホ 165 蜂 ホウ・はち 166 貌 ボウ
167 頬 ほお 168 睦 ボク 169 勃 ボツ 170 昧 マイ
171 枕 まくら 172 蜜 ミツ 173 冥 メイ・ミョウ 174 麺 メン
175 冶 ヤ 176 弥 や 177 闇 やみ 178 喩 ユ
179 湧 ユウ・わく 180 妖 ヨウ・あやしい 181 瘍 ヨウ 182 沃 ヨク
183 拉 ラ 184 辣 ラツ 185 藍 ラン・あい 186 璃 リ
187 慄 リツ 188 侶 リョ 189 瞭 リョウ 190 瑠 ル
191 呂 ロ 192 賂 ロ 193 弄 ロウ・もてあそぶ 194 籠 ロウ・かご・こもる
195 麓 ロク・ふもと 196 脇 わき
※常用漢字表から削除された5字種:勺・錘・銑・脹・匁
※今回の改定では、漢字のほかに音訓の読みも追加されていますので、ご注意を。
この一冊!『日本語 語感の辞典』

『日本語 語感の辞典』
日本語 語感の辞典
中村明 著
岩波書店(2010/11)
1196ページ/四六判
ISBN 978-4-00-080313-7
3,150円(税込)
唐突ですが、「些細」と「瑣末」の違いは何でしょう?
本書によると、「些細」は「細かくて価値がなく、取るに足らない意」「取り上げるに値しない点は「瑣末」と同じだが、この語は、細かすぎるところに重点を置き、その点で「瑣末」とニュアンスが違う」。「瑣末」は、「本筋から離れたちょっとしたことをさ」す、とありました。「どうでもいい」という点では些細と同じだそうです。
国語辞書の簡潔な説明ではニュアンスがわかりにくいとき、意味よりも感覚を調べたいときに使える辞典。収録語が50音順に並び、類語辞典のようなグループ分けはされていないので、そちらに慣れている方は最初は使いにくいかも。
「まえがき」と「あとがき」が読み物として秀逸。言葉を探し、選ぶことの面白さと難しさ、表現の可能性や広がりについて、やわらかな文章で綴られています。
校正中に「ん?」と思ったとき、自分の感覚を信じて鉛筆を出すかどうか、迷います。指摘する・しないの判断は、例えば読者層、作業校数、あえて使いたいのであろう意を汲むときもあるでしょう。
言葉は時代とともに変遷するもの。本書に書かれた「語感」も、あくまで現時点での著者の語感です。校正者として、その変遷にうまく寄り添っていければ理想形でしょう。
しかしそのためには、より多くの文章表現に接し、吟味を重ねることで、自分の“触覚”を磨いていくほかないのかもしれません。(S)