2011年2月号
デッドゾーン 目を変える
なんとかの一つ覚えのように、また目の話題ですが、それだけ校正者にとっては「目」が命ってことで、ご容赦ください。しかし、"命"などと大それたことを言いながら、この駄文を綴っている筆者自身、もともと近眼だったのがここ一年ほどで老眼が急速に進行、ゲラの文字がにじんでしまっていけません。「ぼ」なのか「ぽ」なのか、拡大鏡を持ってこないと判別できない事態に陥っています。
閑話休題。「目を変える」です。ゲラの二度目を見る時、クライアントから「目を変えて」とリクエストされますが、これは「初校とは別な校正者で」という意味ですね。違う人の目で校正すれば、最初に気づかなかった所がより高い確率で見つかるという期待が込められています。確かにそのとおりで、〈ぷれす〉も基本は初校と再校は別なスタッフにお願いしています。
しかし、「目を変える」が即「人を変える」なのではありません。この「校正通信」のタイトルである「鳥の目 虫の目 魚の目」を実践することも、大切な「目を変える」です。つまり、対象となる文章や文字について、さまざまな視点から検討してみる姿勢が大事ということ。一つの方向から見ると誤った文字づかいであっても、別な面から見れば、その使い方は正しいのかもしれないってことです。そしてもう一つは、校正が長時間にわたる場合「休憩などで気分を変える」こと。どんな校正の達人でも、疲れ目には勝てませんからね。
あぁそれにしても、私は10年前の目に変えたい……。
お役立ちサイト『Web版ナショナルアトラス(試験公開)』
『Web版ナショナルアトラス(試験公開)』
国土地理院が「ナショナルアトラス」のWeb版を試験公開しています。「お試し版」なので「Windows7には対応していません」などの制約はありますが、特定のテーマをもとに作成した「主題図」と呼ぶ地図と解説が掲載され、日本全図や海底地形から土地利用、人口分布、持ち家率、学校数や月(週)刊誌の配送部数(!)まで、取り上げた項目は、実に多岐にわたります。
さらに、距離計測機能(ぷれすから江戸川橋駅入口付近までは約640mでした)や道路や河川、鉄道、標高などをレイヤーで表示する機能もついていてお得感いっぱい。仕事を離れても楽しめるので◎。(S)