2010年1月号
「字形類似(1)」
どんなベテラン校正者でも、つい見落としてしまう死角(デッドゾーン)があるものです。
第1回は「字形類似」。
一字一字、一点一画にも目を凝らさないと発見できません。どんな危ない字(語)があるか、知っておくだけでも役に立つはず。今号から数回に分けてお届けいたします。
「鳴呼」⇒「嗚呼」(ああ)
「鍜冶」⇒「鍛冶」(かじ)
「瞹昧」⇒「曖昧」(あいまい)
「籍口」⇒「藉口」(しゃこう)
「戍年・戊年」⇒「戌年」(いぬどし)
「震憾」⇒「震撼」(しんかん)
「遣書」⇒「遺書」(いしょ)
「凝態」⇒「擬態」(ぎたい)
「季託」⇒「委託」(いたく)
「矯声」⇒「嬌声」(きょうせい)
「苟立つ」⇒「苛立つ」(いらだつ)
「饒子」⇒「餃子」(ギョーザ)
「孟蘭盆」⇒「盂蘭盆」(うらぼん)
「千釣の重み」⇒「千鈞の重み」(せんきんのおもみ)
「鳥合の衆」⇒「烏合の衆」(うごうのしゅう)
「制栽」⇒「制裁」(せいさい)
「遠緑」⇒「遠縁」(とおえん)
「太極挙」⇒「太極拳」(たいきょくけん)
「過中」⇒「渦中」(かちゅう)
「祅教」⇒「祆教」(けんきょう)※ゾロアスター教の中国での呼称
この一冊!『校正のこころ』

『校正のこころ』
校正のこころ
大西寿男 著
創元社(2009/11)
240ページ/四六判
ISBN 978-4-422-93217-0
2,100円(税込)
校正とはなんだろう? これから求められる校正者とは?
そんな疑問に答えてくれます。校正技術の話ではありません。校正に携わっていくうえで、その「こころ」のあり方を、自らの体験を踏まえて語っています。なので、言葉は平易でも文章は力強く奥深い。例えば、校正者の立ち位置について述べた次の一節です。
「校正者は著者の側にも読者の側にも立たない。ただゲラの言葉の側にのみ立つ」(p104)
――これをどう読み解くか。校正者の経験値によって解釈は様々でしょうが、出版革命に直面する今、自分の校正スタイルの再確認に刺激的な一冊になると思います。